西洋医学が最も優れているところは画像診断でしょう。X線の開発、研究により西洋医学は一気に進歩しました。X線、CT、MRI、超音波、内視鏡等西洋医学でしかできないことはたくさんあります。

 西洋医学は病気を見る医学と言われますが、正に『見る医学』ですね。

 中国、台湾、韓国では鍼治療をするのも漢方薬を処方するのも医師免許を持った漢方医の仕事です。私が研修で訪れた上海や台湾の医科大学病院では、西洋医学の病棟で診察を受けた患者が、東洋医学の病棟で鍼治療を受け、漢方薬の処方箋をもらって帰っていました。

 日本では、明治時代に設置された医師国家試験で東洋医学を排除しました。当時は欧米列強に追いつけ追い越せ!と、そういう世相だったのでしょう。

 それから約120年後、医学部の基礎課程に漢方薬の課程が盛り込まれるまで、わが国は西洋医学一辺倒で暮らしてきましたので、いまだに「東洋医学は怪しい」、「エビデンスを示せ」などと言う人が多いのかもしれません。